(株)井上鉄工所の井上です。

コロナも少し治まってきた昨年春頃から新しい人を募集しているが、一向に入ってくる気配がない。いろいろな採用に関しての案内が来るが、どれも高額なものか、怪しげなものばかり。
定期的に来る資料の中にある採用のチラシが気にはなっていたが、たまたま知り合いに飲み会の席でその話をすると「あれ、良いらしいよ。〇登さんの所はそれで去年4名取れたって言ってたよ。」との回答。
早速、FAXを送るとすぐ電話が来て翌日来社されることになった。
名刺交換後に自分の会社を知ってもらおうと会社の説明をすると、「いろんなことやってますね。」と食いついてくる。
「こんなことあんなこともやっているよ。」と話すと「それ、もっと教えてください。帰りに写真撮って良いですか?」とどちらか客か分からない状態に。
人材育成に熱心なので信じることとした。
値段の提示もなく「どうします?」と言うので、「まず、値段とかどういったものなのか教えてよ。」とクールダウンさせた。
帰り際に「工場ちょっと見せてください。」と言うので説明していると、「また、別に来ますね。」

「このフォーマットに記入して送ってください。」と渡され、四苦八苦しながら書きあげた。これで高校生が反応してくれるのか?
全く分からず高1の娘の反応を見ることにした。
「パパ、全然ダメ!何書いているか分からない。」
展示会で使っている垂れ幕の「歯形誤差3ミクロンの歯車研磨」というキャッチコピーも全否定されてしまった。
「まずねえ、漢字が多すぎる!見たくなくなる。」ほお、貴重なご意見。
「写真をパッと見て興味があったら、そのページを読み込んでいく。」
高校生が見たくなる写真ってなんだ?写真が多い方が良いのか?説明文が詳しい方が良いのか?
「それから、入ってから何をするのかが知りたい。」
歯車加工って書いてるじゃん。
「で、私は一日何するの?」
一日のスケジュールということか。と会社での威厳は丸つぶれであった。

【1】井上鉄工所の活動『多能工化始動 2』

先月に続き、今月も毎週月曜日に「機械技能取得」を行った。
案の定、教えてもらってもう分かったというので、教えてもらった人が全くの初心者に教えることにした。
旋盤で暖機運転からワークの脱着までを歯切りの超ベテラン(歯切りのプロだが、それ故に他の部署は一度も経験がない奇特な先輩)に指導することとなった。
すると急にトーンダウン。「ちょっと怪しいところがあるので、もう一度教えてもらいたい。」と申し出があった。
「そうか、じゃあ来週は頼むね。」と了承。翌週、再度ベテラン指導の挑戦となった。
「機械技能習得」後は放置しないで必ずチェック。指導後の朝礼で何を教えてもらってどうだったかを教えてもらった人が発表。
超ベテランは「あと10回教えてもらったら出来ると思う。」との返事。
すかさず、「先輩は毎日朝早く来られているので、NC旋盤の暖機運転をしてくださいね。10日経つと出来るようになる。」と言うと。「分かったやってみる」とプラス思考のお言葉。

さて、何日持つかなと思っていると2/15(水)のチャットワークに「暖機運転が楽しい」と書き込みがあった。
いやあ、嬉しかったですね。
この先輩のすごさは「素直」な所です。
そう言えば、iPadのときも「みんなに迷惑がかかるので、毎日事務所に行って事務員さんに教えてもらった。」と言われてました。
今では、毎日昼休憩にiPadで演歌を聴かれています。

2/27(月)の「機械技能取得」は、旋盤の「電源入れから暖機運転」までの実施テスト。
教えてもらった人が全員、旋盤担当からチェックを受けていた。そこで気づいたのはせっかく作った写真入りの手順書ではなく、自分の書いたメモを見ながらであった。
これでは、新人に教えるためのものにはならないと判断し、「手順書は見て良いが、自分のメモはダメ。」と指示。文句ブーブーであった。
「この手順書は何のためにつくったのか?」と質問し、「そうよなあ、手順書のチェックだったなあ。」と納得してもらった。
(最後までブーブー言ってた奴はベテランに教えた若手だった。こいつに教えてもらった人はチェックが必要のようである。)

2/15(水)のチャットワークより

【2】出展告知

中小企業テクノフェアin九州2023

少し早いですが、07/05(水)~07/07(金)に「中小企業テクノフェアin九州2023」に出展します。
中小企業テクノフェアin九州2023 は、課題解決EXPOと称して、企業の様々な現場が抱える課題をワンストップで解決する場です。各種製造現場を対象とした展示会「西日本製造技術イノベーション2023」、デジタルトランスフォーメーションの推進を目的とした「西日本DX推進フェア2023」、環境ビジネス振興を目的とした「エコテクノ2023」など8つの展示会・商談会を組み合わせて同時開催することにより、田の展示会ではない相乗効果を生み出し、地域企業の様々な課題を解決していくための技術交流や商談の場を提供します。
コロナ禍からの反転攻勢の一歩としてご来場ください。

日時(リアル開催)2023/07/05(水)、6(木)、7(金) 10:00~17:00
場所吹西日本総合展示場 新館
〒802-0001北九州市小倉北区浅野3-8-1
料金無料

中小企業テクノフェアin九州2023

お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。

【3】社長コラム『プロにほめられた?』

昨年から名古屋続きである。
とあることから名古屋商工会議所のメンバー(特別会員)になった。
1/27(金)に名古屋商工会議所新入会員セミナー、2/3(金)に金属部会新年会に出席。
そこでの講演会は「〇橋洋一氏」の「経済理論」についての講演であった。その中で「次の日銀総裁は日銀出身者である」と言われていただけに2/10の植田氏次期日限総裁の発表には驚いた。とびきり多くの名古屋の人は驚いたであろう。

2/8(水),9(木)名古屋の吹上ホールにて「Tech Biz EXPO 2023」という展示会が開催された。
2/7(火)に準備のため会場に訪れると我が社の前にひときわ大きなブースがあった。
「中日BIZ ナビ」というマスコミ?であった。
そう言えば展示会のメールが来ていて「締め切りは過ぎているが各ブースに訪れ取材をしてくれる」という文書を思い出した。
ダメ元で訪ねに行くとそこでパソコンを使用している人が誰かに似ている。
最近どこかで会った人だと思い話しかけてみた。
「展示会原稿の文章のことで電話をした記憶はあるが、会ったことはない」と言われてしまった。
あれ?その声がけが良かったのか?会社の説明が良かったのか?明日朝一で担当に言ってみろと言われた。

①。翌日、担当者に聞いてみると2/9(木)の午後が空いていると言われた。ラッキー!その人にも会社説明をし
②、その後そのブースの責任者が訪れた。
③「明日の取材に際して御社のホームページを拝見したが、つい見入ってしまい遅くなった。我々には書けない文章だ」と言われた。これはほめられた?けなされた?

翌日、担当の記者が訪れ
④、写真撮影とインタビューを受けた。
明日の電子版に載ると言われ、「その文章、メルマガに載せても良いですか?」と言うと、「それはまずい。リンクならOK」との回答であった。
展示会も終了間際になって、これまで会った①②③④の人たちがそれぞれにブースに来られて「井上さんの記事があそこの大きなモニターに載ってるよ。」と代わり交替に来られて教えてくださった。

帰り際にお礼を言いにブースを訪れたが、昨日の「我々には書けない文章」の真意を尋ねた。
「もちろん良い意味だよ。我々新聞記者は、これだけという範囲に記事を書く。そのためには必要最小限の伝えたいことだけを書かなければならない。井上さんのは味わいがある。惹きつけられてしまう。」だそうだ。
「プロにほめられた?」

その後、東京にセミナーを受けに行ったが、その嬉しさの興奮が冷めやらない間にこの記事を友達に配信したい。
ラインでリンクをして送ろうとするが分からない。妻や娘がいつもしているのになぜ教えてもらわなかったんだろう?と後悔。
格闘すること東京までの1時間半。なぜか出来ました。「意志あるところに道は通ず」を実感した出来事でした。

Tech Biz EXPO2023にて

【4】掲載情報

中日BIZナビ

上の「中日BIZナビ」にカーソルを当てると「高精度な歯車技術で空と宇宙の大舞台へ羽ばたく井上鉄工所」という記事にリンクしています。是非読んでください。

『地元経済誌に取り上げられました!

びんご経済レポート