(株)井上鉄工所の井上です。

クソ暑い日が続きますが、先週のロンドンでは朝14℃~昼22℃の涼しいというより寒いくらいの気温であった。一昨年のファンボロー航空ショーでは熱波で会場は一部しかエアコンが利かず、またホテルもエアコンのあるところは皆無で苦労をしたと聞いていた。アメリカのM社の社長は40℃の部屋で倒れたとも聞いた。さあ、暑さ対策をどうするかが今回の展示会のミッションであったと言っても過言ではない。たまたまネットにモン〇ルが空調服を出したと言う記事を見つけ、広島に行った際にそこの空調服を購入。広島店で購入した第1号であったようだ。その話をブースの装飾担当の方に言うと「私も買おう。」と。翌日に行ったがバッテリーが無く予約をしてきたとのこと。さらに「井上さん、この空調服の背中にデザインを入れないか?」との提案受けた。「えっ?」とっさに「会社の屋号の⑨(本当は〇に漢字の九。変換できない)を入れて、ローマ字でINOUE IRON WORKSと表記して」と頼んだ。我ながら上々の出来であった。更にみんなでこれを着てマスコミに売込みに行こう!という作戦も。
ところが上記のように期待を外され、いつものイギリスの気温になってしまった。過ごしやすくて快適であったが、捕らぬ狸の皮算用に終わってしまった。

毎日のように通った中華のテイクアウト。ホテルの2,3軒隣にある。とにかく暖かいものが欲しい。唾液の吸い取られるサンドイッチに閉口し、24時間空いているスーパーでの食事をやめたい。最終日に行くと、若い女の子から話しかけられた。私には「パイレーツ?」と聞こえた。「海賊?」何が言いたいのかこの子は?するといつもの応対してくれる女性が「パイロット」だと教えてくれた。首から下げた顔入りの入門証とスーツケースを見て「パイロットだと思った。」と言う。すかさず妻が「こんなおなかの出たパイロットなんていないよ。」と言い返す。2年後にまた会おう?とご挨拶。素敵な人だ!

空調服 いいでしょ!
我が社のトップ営業マンでした!

【1】井上鉄工所の活動『イギリスファンボロー航空ショー2024』

7/22月曜日~26日金曜日までイギリスのロンドン郊外ファンボローにて航空機の2大ショーに当たるファンボロー航空ショーに出展した。出展しようと決めてわずか4ヶ月半の間に装飾をお願いした企業との打合せ、JETROの担当者との面談希望社についての大部分の時間を割いた。シンガポールでは県に全てお任せであったので何もすることはなく、会社説明の資料を出したぐらい。今回は全てが初めてのことなので装飾の企業から全てを教えてもらうことになった。

まずは英語表記での会社案内の作成。英語での言い回しはネイティブ方にチェックしてもらった。工場での作業風景の撮影。(弊社若手の機械操作の撮影。この子は絵になると褒めてもらった。)機械の撮影よりは作業風景に重きを置いていたような。実際にブースに来て頂いた日本人からも「この作業はしびれますね。この機械のこの油がこびりついていて良い。」(妻からはどうしてもっときれいにしておかなかったのかとお叱りを受けてた所ですが。)との評価を頂きました。

我々のブースはホール4。申込みが終了ギリギリだったため、メインホール1から一番離れたところであった。しかしなぜか初日から人通りが良い。他もそうかと思っていたが、明らかに来場数が違う。2,3日目に分かったことだが、VIPの駐車場(ベンツばっかり)が近くにあって、まず入場するには我々のブースを通ってホール1のメインに行くらしい。シンガポールでは経済産業省が事前に予約の設定をしてくれていたので、36社の面談をすることができたが、飛び込み営業をする暇もなく40社との面談を果たせた。

日本や海外の大企業とも話が出来たが、意外と地元イギリスやヨーロッパの中堅企業からの引き合いが目立った。認証がないと進まない世界なのでどこも製造が出来る会社を探しているようである。また、いろんな事業を展開している企業も多く「飛行機以外にも事業部があるがそこの仕事をやってくれ。」との問い合わせが多かった。シンガポールの大手偏重主義よりイギリス・ヨーロッパの実力がある中堅企業との方が我が社は相性が良いのでは?

イギリスのギア専門の会社と面談をした。100人くらいの規模だが航空機以外にもいろんな業種の仕事をしている。JETROのS氏が「工場見学をさせて欲しい。勉強をさせて欲しい。」と切り出すと、横にいた若い人を紹介してくれた。「息子だ。24才になる。私は57才なので早く引退をしたい。」と。「私は61才で息子は同じく24才だ。」と応えると、「是非、遊びに来い。」と言ってくれた。こんな企業と関係が深まってくれば楽しいだろうなあと思えた。JETROのS氏が73才だと言うと「引退しろ!」とオーバーアクションでみんなの笑いを誘った。そろそろ引退?

早朝からU.KーJapan Defenceセミナー
日本ブースへ防衛大臣訪問

【2】出展告知

2024国際航空宇宙展(Japan International Aerosopace Exhibition 2024)

10/16(水)~10/18(金)に2024国際航空宇宙展(Japan International Aerosopace Exhibition 2024)に出展します。

国内外の主要企業、政府機関、大使館関係者、業界関係者が集結する、日本最大級の航空・宇宙の総合展示会です。航空・宇宙・防衛の製造、運航、整備に加え、UAM・脱炭素などの新分野を加えた、幅広い業種の企業が出展予定。最先端の製品の情報を獲得できます。

コロナ禍からの反転攻勢の一歩としてご来場ください。

日時(リアル開催) 2024/10/16(水) 12:00~17:00(10:00~12:00招待者のみ)
10/17(木) 10:00~17:00
場所 東京ビッグサイト 西展示棟全館
(〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1)
料金 会期前登録:無料
会期中登録:1人5,500円(学生2,200円)

近くにご来場の際は、是非お立ち寄りください。

【3】社長コラム『チェコのビール!』

航空機の認証を取ろうとした時から若手に「パリに行こう!」とずっと言っていた。「なんでパリなんですか?」と聞かれると「パリ航空ショーに出ようや!」と答えていたが、「良いですね。」という返事をずっと信じていた。ところがイギリスのファンボロー航空ショー2024に出ることが決まり、「パリではないがイギリスだ。行こう!」と言うと「イギリスって危なくないですか?」という返事が。「えっ?あの返事は?」とおじさんの心はしぼんでしまった。
うちの子どもたちにも「外国行ってみたい?」と聞くと「なんで外国?言葉の通じないところに行ったってしょうがない。」と言う返事。私の若い頃の海外をまたいで行き来する商社マンへの憧れは、今の子どもたちには興味が無いようである。(「24時間働けますか?」リゲインのイメージ)
学生時代から社会人独身の時まで、毎年アメリカへ。年末に片道で切符を買い。1/4日ぐらいのアメリカ発1年オープンで往復を買う。年末にアメリカに帰国するという形で安くチケットを買っていた。今思うとすごい裏技だが、今となっては自分で考え出したのか?教えてもらったのか?分からない。ネットの無い時代に良く情報が取れたなあと我ながら感心する。

今回のエアーチケット、ホテルの手配では苦労した。できるだけ安く。しかも展示会場に近くにと相反する難題に出発ぎりぎりまで手間取った。〇ETROの規程ではロンドンのホテルは19,900円までと決まっていて、それを超えると自腹と聞く。ロンドンのホテルは高額で有名らしく、便利の良い所は4,5万円以上。展示会場近くのあのホリデーインがなんと5万円。とてもそんな金額では収まらない。3ヶ月以上もネットのホテルサイトとにらめっこ。その甲斐あって、ロンドンのWATERLOO駅からバスで20分のところにアパートタイプのホテルをタイムセールで見つけ出した。なんと16,765円/1泊。「よくもこんな値段のホテルを見つけ出したな。」と言われたそうだが、せめて相場にしてあげてください。

我々のブースの近くにチェコのブースがあった。なぜかいつも人が集まっている。特に昼からが多い。JETROのS氏がニコニコとこちらに来いと手で合図しているので行ってみるとそこにはビールが。ビールサーバーから美味しそうなビールを頂いた。S氏も「チェコのビールが一番美味しい。」と断言。毎日、頂くのが日課のようになっていたので、最終日には我々が持ってきた日本酒を升でお返しをした。「どうやって飲むのか?」と聞かれ、「角から」と教えると不思議そうな顔をしていた。チェコの企業は優秀な企業が多いとS氏から聞いていたが、地政学上〇〇と△△とは取引をしたくないとの情報も頂いた。チャンスである。10月のJapan Air Showにも来られるそうで、再会を約束して無事終了となった。

ロンドンバス
チェコのブース出展者と升酒で乾杯!

番外編 大英博物館

ロゼッタストーン
モアイ像