井上鉄工所の井上です。

新緑の美しい季節になってきましたね。深呼吸して、みずみずしいフレッシュな空気を吸い
心も体も晴れ晴れと意欲的に仕事をしてゆきたいものです。

弊社の若手社員達も、新しいことに興味をもったり、意欲的に励んでおります。ベテラン社員達も負けていられません(笑)

4月のメルマガでは弊社の品質保証のお話をしましたので、今回より数回に渡り「トレーサビリティ」の話をさせて頂きます。
今回は【トレーサビリティの歴史】についてです。
製造業では、トレーサビリティに注目が集まっていますが、歴史は古く、戦前まで遡るそうです。

戦前の日本は、製番(同じ仕様の製品に対して製造番号と呼ばれる管理番号)を付け、その製造番号によって生産を管理する方法と、号機管理(機械1台:1製品)毎に番号を付けて管理する方法で生産管理を行ってきました。

号機管理は、機体ごとに部品管理を行う航空機業界では欠かせない方法です。
これらの管理方法は、今でも広く採用されていますね。
日本のトレーサビリティの基礎と言ってもよいのではないでしょうか。

【1】歯車の加工事例

今回は下記の歯車のご紹介です。

歯研歯車 M2.5 (S45C)

名称歯研歯車 M2.5 (S45C)
種類平歯車
材質S45C
歯形スパーギア
モジュールM2.5
圧力角20°
仕上げ歯研
精度JIS1級
熱処理高周波焼き入れ

歯研歯車は、歯車としての耐久性を向上させるために、高周波焼き入れなどの焼入れをどのタイミングで入れるかがポイントになります。
焼入れを入れてから機械加工を行うことは、非効率だからです。

この歯研歯車を見て頂くとザグリが入っていますが、工程としては、歯切り、穴あけ、ザグリを行ってから高周波焼き入れを行い、その後歯研を行うことでJIS1級の精度に仕上げています。

歯車を高精度に仕上げるなら歯車研削・研磨.comにお任せください。

【2】社長コラム『若手社員K君の話-①』

今回は、弊社若手社員のことをお話します。

現在リーダーのF君。彼は高校1年生から仕事をしており、卒業後そのまま入社。
20代にも関わらず、現在10年を超えるベテランです。

その彼が入社を決めたときに、「社長、お願いが・・・。」

真面目なF君のお願いなら。と聞くと
「友達から社長と面接をしてもらうようにお願いされて、OKしてしまった。入れる入れないは社長が決めるので、入れるか分からないと言っている。面接だけしてもらえないか?」と。
その時十分人は足りていましたが、F君が私に頼んできたのが嬉しかった。
すぐにOKを伝えて面接に。

F君の友人K君は、なんと面接に茶髪で現れました。履歴書を見るとF君より1歳上。
「おいた(遊んでいた)したんか?」と聞くと、「はい、してました。」
素直に回答。
ですが丁寧な言葉(敬語)を話し、見た目のちゃらさとは違うK君。
もちろん彼の採用を決めました。
後日、すぐに黒髪に染め直してきました(笑)

そんな彼、実はバイトしていた所に就職が決まっていたが、配属先が岡山に。
どうしても福山で働きたいという希望を伝えられ、
「岡山の方がずっと都会で一杯遊べるよ。」と言ったが、是非入れて欲しいの言葉に即採用。弊社で働くことになりました。(彼女が居て、離れたくなかった説が有力?(笑))

K君のような若手の入社に喜ぶベテランたちから作業指導を受ける中、当時まだ未熟だったK君は
「3人の先輩の言っていることがみんな違う。どうしたら良いでしょうか?」と私の所へ。
彼の話を聞いてみると、
「なるほど、ベテラン達は違うことを言ってるように聞こえても、説明する角度が違うだけで、同じ事を言ってるな。」と私は思いました。

しかしK君にとっては「皆さん違う事を言うんです💦」と。

我社のように古い会社には手順書がほとんどなく、口頭で伝わってきました。
良い先輩につくと良い社員が生まれ、悪い先輩につくと悪い(理解しないまま一人前になった気でいる)社員が生まれるといったことの繰り返しでした。

大手企業さんと何かが違う?
「大手企業さんには、手順書があり、入社するとその手順書を用いて指導を行うので、全員が同じ基準で考え、動く事が出来る」という話を思い出しました。

早速、3人のベテランに
「彼に手順書を作らせるので、丁寧に教えてやって欲しい。只し、先輩たちの言っていることは正しいが、山に登るのにどのルートを使うかで差異はない。彼が採用したのが今後の井上鉄工所の基準にする。今更先輩たちに変えろとは言わない。」

そのような環境で、K君は細かいことを何度も先輩に聞き、手順書を作り上げてくれました。
K君がベテラン社員から指導されたもの、特にできなかった事を追加しながら手順書を作成し、これが、井上鉄工所のスタンダードになった訳です。
このスタンダードができたおかげで、次に入社した若手は、手順書を基に覚えることになりました。
JISQ9100の認証を取得する際のレベルの手順書を作成したのも、もちろんK君です!

続きは次回のコラムで・・・