井上鉄工所の井上です。

世間では学校生活もスタートし、小学一年生のピカピカのランドセルが、まるでランドセルが歩いているかのように見える微笑ましい光景を見かける時節となりました。

今回は、弊社の特徴について少しお話をさせてください。

弊社は量産はせず、図面をいただいて製作するオーダー品や、修理品の依頼をたまわっている受注生産型です。
材料の準備からすべて弊社で行いますので、お客様は手間いらずです。

また、弊社には歯切り盤もあり、同業社様から多数のご依頼もいただいております。
JISQ9100の認証を取得済みですので、精度の高い歯車加工は自信をもって対応できます。

そんな弊社で製作しました、下記の歯車をご覧ください。

【1】歯車の加工事例

今回は、一見すると普通の歯車ですが、見えないところで加工技術を活かした歯研歯車をご紹介いたします。

歯研歯車 M3.0 (SCM440)

名称歯研歯車 M3.0 (SCM440)
種類平歯車
材質SCM440
歯形スパーギア
モジュールM3.0
圧力角20°
仕上げ歯車研削(歯研)
精度JIS1級
熱処理高周波焼き入れ

この歯研ギアは、印刷機械向けに材料仕入れから歯研までを弊社で行った歯車です。

通常こうした形状の歯研ギアは、
旋盤⇒歯切り⇒高周波焼き入れ⇒穴あけ⇒平研・内研・外研⇒歯研
を行いますが、この製品は、
旋盤⇒歯切り⇒穴あけ⇒高周波焼き入れ⇒平研・内研・外研⇒歯研
を行っています。

これは、穴あけの位置が歯面に近いため、高周波焼き入れを行うと硬くなりすぎてしまい、穴加工ができなくなるからです。
硬すぎてキリで穴をあけることができず、大変苦戦しました。

井上鉄工所では、このような穴あけを伴う歯研ギアを数多く加工しています。

歯車の加工なら、株式会社井上鉄工所【歯車研削・研磨.com】にお任せください。

【2】社長コラム『飛行機参入!?②』

彼の会社に到着するとあわただしく図面を広げて、「これ、できるか?」と尋ねられました。
正直言って、小さくて細かい指示がたくさんあり、しかもインチサイズで書かれていたので、
「これは、うちではできない」と言って帰ろうとしたときに、
「実は、奥の部屋に航空機の部品を作っておられたOBの方がいるので会って欲しい」と彼が言うのです。

そのOBの方に会社案内を見せると、いきなり「ビンゴ!」と大きな声で叫ばれ、
「○○君、でかした!うちの会社と同じ歯切の機械と歯研の機械を使っている。
管理さえできれば、ここで加工ができる。」と大喜び。

私は何が何だか???

その友達から
「今、航空機産業に参入しようとサプライチェーンを組んで、仲間と頑張っている。
井上さんが入ればできる分野がさらに広がり、参入の機会が増える。一緒にやらないか?」
さらに、
「我々の仲間になれば、航空機産業の加工に必要な認証(JISQ9100)の先生と加工の先生をタダで派遣できる。近畿経済産業局より中小企業の育成のために、お金が出るけど、どう?」と誘われました。

「うちの会社が、飛行機の部品をつくる?!?」

一瞬戸惑いましたが、若手育成のために基準となる事業が必要だと感じていたので、
「広島の会社に対しても援助してくれるんですか?」と確認をしたところ、
「我々の仲間には北陸の人もたくさんいる。
うちの会社が中心となってサプライチェーンを組むので問題ない」という返事。

その場で仲間に入ることを決め、航空機産業への扉が開かれました。